あのね、又市さんにはもっと驚いて欲しかった。
だって、そうそう渡れない島に百介先生がいるんですよ。しかも今まさに死のうとまでしてた百介先生が。
あんなあっさり邂逅・・・できないよ!
心身ともにぼろぼろですよ。先生はここで又市さんに泣きついても良い所。いや、冗談抜きで。
あの状況で例え小股潜りとはいえ、信頼しきってる知り合いが表れたら泣きつくでしょう。
語りのシーンなのであっさりしてるけど。
ただ、「人情で動かない」ってのは違うと思うんですよ。「先生の為なら例え火の中水の中~」の又市さんです。
先生かかってたら人情どころの騒ぎじゃなく動くと思うんだ。
この人はね、やっぱり知ってたと思うんですよ。
「依頼で来た」とは言っても小股潜りがその程度の情報持ってないわけがない。
少なくとも港についた頃には知ってたでしょう。まぁ、そうじゃないともっと驚くわな。
漁師にでも訊いて廻れば分かる事だし
又「そういやぁよう。島の事聞いてくる物書きの先生なんかいなかったかい?」
漁「いましたね。ひと月ぐらい前・・・そういえばあれから見てないな」
又・徳「・・・」
又「オイ、いくぞ徳次郎」
徳「いやいやいや、行くって?!どこに?」
又「決まってんだろう!島に行くんだよ!」
徳「落ち着いて又さん!まだ渡れないから!!漂着物になるから!」
こうですね。
で、イライラしながら満月の夜待つわけだ。うわぁ、徳さんかわいそう・・・。
これが回想の中の話だと思うと泣ける。「今は亡き者どもの話」なんですよ!うわぁーん!!
巷説萌が来るって事は泣きたいって事なのかもしれないと思った。
・・・もう歳かな。
PR